創作 |
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下り坂を転げ落ちないよう慎重に、けれどなるべく急ぎながら帰るということは、思っていた以上に大変だった。先生たちは、いつもそうたいしたことでもなさそうにしていたのだが、それはやはり大人であったからで。こどもの自分たちでは、転ばないようにバランスをとるのが精一杯。とても急いで降りるということはできなさそうだった。 それでも。 カイが熱を出してついていなければいけなかったとはいえ、こどもたちだけでお使いに出してくれた。自分たちならできると云ってくれた、先生たちの気持ちがうれしかったから。3人は、四苦八苦しつつも頑張って丘を降りていた。 そもそもこの引き車だって、おじいさんからの借り物だ。おじいさんが次に町へ買い出しにきたときに、持って帰ることになっている。大事なものなのだから、絶対に転んだりして壊してはいけない。 けれど、その緊張が、逆にこどもたちの進みを遅くした。 ふもとから老人の小屋へたどりついたのと同じくらいの時間をかけ、今彼らはまだ、丘の中腹をそろそろと降りていたのである。 「……まずいな」 休憩のために座り込んだ岩陰で、空を見上げてヒューが苦々しくつぶやいた。枯れ木と針葉樹にふさがれた隙間から見える空はまだ青く、このままスムーズに進めれば、時間的には、夕暮れまでに施設には帰れるだろう目算はある。 だが…… フィリオンの見上げる、ヒューと反対方向の空には、薄い雲がかかりだしていた。ぱっと見、なんでもないただの雲のようだが、あれは雪を知らせる雲。 春といえど、この地方から完全に雪の気配が消えるのは、夏の少しの間だけだ。 「フィン、シェイド、もう出るぞ」 さっさと休憩を切り上げようとするヒューに、銀と黒のふたりはうなずいて、岩に寄せていた引き車を押し出してきた。 まったく、天気なんてあてにならないものだ。丘へ登る前は本当にいい天気だったのに。 のんきにそんなことを考えながら引き車を押していたフィリオンは、ふと、視界が暗くなったのに気が付いた。 もう雲がかかったのかな? と思う間もなく、 「フィン!!」 引き車を引いていたヒューが、なぜかフィリオンの方を見て驚愕の声をあげる。 ――え? シェイドが、フィリオンをその場から突き飛ばした。その横に、転がるようにヒューが走ってくる。がらがらがらぁっ、とうるさい音を立てて、こどもたちの手から離れた引き車が斜面を転がり落ちていった。 「いたっ…… 何するの!?」 「馬鹿、見ろ!!」 金と黒のふたりが険しい顔で見ている方に視線を移し、フィリオンは「ひっ」と悲鳴をあげた。 黒い毛皮。先生たちよりまだ大きい。にぶく光る、凶暴な眼。 「うわさをすればなんとやら……」 こんなときだというのになんとも余裕ありげなヒューの後頭部を、一瞬力いっぱいどつきたくなったが、今のフィリオンの身体は、それもできないほど驚きに麻痺していた。 目の前のそれが、ただ、怖い。 絵本に出てくる熊は、優しくて大きくてあたたかくて。小熊たちと一緒に木の実を取ったり蜂蜜を集めたり、とっても幸せな感じだったのに。本物の熊は、明らかにこどもたちに対して食欲を覚えているようで――フィリオンが考えたこともないほどに、恐怖の対象となるものだった。 「冬眠明けの熊って、腹へらしてるからなぁ……人肉の味、覚えちゃったりさせたらおおごとだろうな……」 フィリオンの考えを読んだわけでもあるまいが、ヒューがさらにひとりごちる。だがさすがに、彼も腰のナイフを使おうとは思わないようだ。こどもひとりなど、ナイフで切りかかる前に、その腕の一撃で沈黙させられることは判っていた。 熊は、転げ落ちていった引き車には興味を示さなかったらしい。燻製などではなく、生きのいいほうを選ぶとでもいいたげに、ゆっくりとこちらに視線を据えた。 こどもたちが思わず後ずさると、熊はその分、間をつめてくる。 「フィン、動くなよ」 小声でヒューがフィリオンを抑えた。今まさに走って逃げようとしていたフィリオンは、驚いて金色の相棒を見る。 「どうして!? 逃げないと食べられちゃうよ!!?」 「熊ってのは、人間より、足速いぜ? 下手に勢いつけて逃げても、絶対追いつかれる」 そういう恐ろしいことをしれっと云わないでもらいたい。 じゃあどうしろというのか。泣き出しそうになったフィンに、シェイドが話しかけた。 「……上」 「うえ?」 不意のひとことに、金銀はつられて、今自分たちが背にしていた木を見上げた。それは、そうとう長い時を生きたと思われる、太い常緑樹。立派な枝が、彼らの頭上に展開され、深い影を落としていた。 「登れって? 無理だ、間に合わない」 「だいじょうぶ」 「……ほんとに?」 フィリオンの問いに、シェイドはこくりとうなずいた。 「ふたりとも、木に登るの上手だ。だいじょうぶ」 「……全員登るまでおとなしくしててくれるかね?」 「…………させる」 黒い瞳が、なにか決意を浮かべていた。 「何する気だ、シェイド?」 険しい表情で、ヒューがシェイドに詰め寄った。 「人身御供になろうなんてのは、却下だからな」 「そんなことしない」 苦笑したシェイドが、一歩、熊に向けて進み出た。 「できると思う。早く登って」 振り返りもせずに告げる黒髪の少年には、彼らを説得できる何かが満ちていて。それに圧される形で、金銀ふたりは声には出さずうなずいた。じりっ、と、足音を立てないように木の方へ後ずさる。 ぱち、ぱち、と、シェイドのまわりで何かが弾けるような音がした。それは次第に大きくなって。 「登って!!」 その叫びと共に、一気にふくれあがる。そしてそれを皮切に、熊が彼らに向かって突進してきた。金銀は、火事場のなんとかとも云えそうなほど、普段よりも数倍早い動作で手近な枝から枝へと身体を移動させ、熊の手の届かなさそうな処まで登ろうとした。 「あ!」 枝にひっかかりでもしたか、フィリオンの首から、首飾りが抜け落ちる。変わらぬ涼やかな音をたてて、それは木の根のほうへと転がっていった。 枝を蹴り、それに手を伸ばそうとしたフィリオンだったが、 「……ッ!?」 不意に、光が視界を埋め尽くした。 音はなく。振動もなく。 ただ、光だけが瞬間的、あたり一帯を覆った。 「シェイドっ!!?」 動作を止めて見下ろしたフィリオンの視界には、『何もなかった』。 いや、シェイドはたしかにそこにいる。 けれど。 ついさっきまで、自分たちを狙っていた、あの巨大な黒い大きな獣の姿が無かった。今の閃光で吹き飛ばされでもしたのかと、あたりを見回してみたがそれらしいものもない。 それに、フィリオンの落とした首飾りもない。落ちた場所の見当くらいはついていたはずなのに、その周辺にも見渡せる限りのところにも、影も形もなかった。 いったい何が、と思ったフィリオンの横を、ヒューが登ったときの数倍の勢いで滑り降りていった。 「ま、待って!!」 あわててフィリオンもそれにならう。 肩を抱いて荒い息をしているシェイドに駆け寄ったとき、何か、奇妙な違和感がフィリオンを包んだ。 「…………?」 ぱち、ぱち、と。 先ほどの閃光のなごりのように、シェイドの身体の表面をなでる、小さな雷のようなもの。そして彼を中心に広がる、なにか奇妙なものを感じさせる空間。 ヒューが、すっとシェイドの前にしゃがみこんだ。 「……熊はどうした?」 まるでシェイドが熊をどうにかしたみたいな云い方をする。先生たちでさえどうにもできないのに。狩人のおじいさんでなければ、あんな怖いものはどうにもできないのに―― シェイドは答えない。ただ、荒い息を繰り返すだけ。 「やっぱり……無理、あった……」 呼吸の合間に、途切れ途切れにつぶやいて。シェイドの身体がぐらりとかしぐ。 「シェイドっ……」 伸ばしかけた手を、なぜか、フィリオンは寸前で止めた。 あわや地面に倒れこむかと思われたシェイドは、だが、ぎりぎりでヒューが支えている。 「とんでもねー、奴……」 険しい表情でシェイドを支えたまま、ヒューがつぶやいた。 「ヒュー? シェイドが熊をどうにかしちゃったの?」 「そうとしか思えない」 「そんな、だって……シェイドが……?」 「俺だって見てたわけじゃないんだ、判らないけど……他の誰ができるんだよ?」 沈黙がその場に舞い降りる。 ざわざわと。風が吹き出した。 黒髪の少年は魔族なのだと、フィリオンは、いまさらながらに実感した。 狩人のおじいさんが云っていたではないか。人にはない力を持つ……それが魔族なのだと。はるか昔に人間と戦い、今では人々との交流もあまりない、すでに忘れ去られようとしている稀有な一族の末裔。 シェイドの残した力の余波か、あたりの空気が違う。 「とにかく!」 妙な緊張の漂った空間を破るかのように、ヒューがうつむいていた頭を勢いよく上向かせた。 「施設に帰ろう。引き車と燻製はしょうがないから、あとで拾いに来よう。 今はこいつをちゃんと休ませないとな」 そうだろ、と同意を求められて。 「…… うん」 自分の返事に一瞬の間を要したことに、フィリオンは驚いた。が、ヒューが、どうしたんだろうというような顔でこちらを見ていることに気がついたので、すぐに笑ってみせた。これは自然にできた。 そしてシェイドを覗き込んでみる。 さきほどまでの様子がうそのように、黒の相棒は穏やかに眠っている。その表情を見ているうちに、フィリオンの感じていた違和感も徐々に輪郭をぼやけさせていった。 「……でも」 いやに現実的なものを感じさせる声音で、ヒューがフィリオンに云う。 「実際問題、このままシェイドを抱えて帰るんじゃ時間もかかりすぎるな……」 「でもしょうがないよ、頑張ろ?」 「そのつもりだけどな」 軽くため息をついたヒューが、ふと、フィリオンを見た。 いや、フィリオンの後ろをだ。 「?」 ヒューの視線を追うように、おそるおそる――さっきの例があるので――振り返ると、今度は熊でなく、人間がいた。 自分たちよりも少しだけ年上…だろうか? どちらかというと小柄なほうだが、そのまとう雰囲気は、金銀黒のこどもたちよりも大人びている。動きやすそうな旅装束に身を包んだ、緑色の髪をした女の子だ。意志の強さを感じさせるその瞳は、黄金色にも似た橙色。――朱金? つい、とその子がこちらに向けて一歩踏み出す――足音はほとんど無い。山歩きに慣れている者のそれだった。 「手伝おうか?」 シェイドを指し、その子は云った。 「あんた、こんなとこで何してるんだ?」 少女の問いには答えず、ヒューが険しい顔で問いを投げかけた。 この丘陵一帯には、さきほど彼らが世話になった老人しか住んでいない。村の人間が狩りやたきぎ集めにくることはあるが、まったくの余所者――目の前の少女の顔は、金銀ふたりの知っているどの村人の顔にも当てはまらなかった――が、こんなところに用があるとはとうてい思えなかったからだ。 「……怪しんでないか?」 少女の返答は、苦笑。 「旅の途中さ。この丘を迂回するより、抜けたほうが早いみたいだったから」 そしたら、なんだか騒いでたみたいだから気になってきてみたんだ、と。 諭すような少女の口調に、ヒューは何か感じるものがあったのだろう、こくりとうなずいて、 「……なら、頼む」 「了解」 朱金の瞳を細めて笑んで、少女は短く「わたしは、アル」と名乗った。フィリオンもヒューも、それぞれに名乗り返す。 「じゃ、まずこの子を運ばないと……」 年はそう変わらないはずなのに、このひとは、なんだかすごく年上のようなしゃべりかたをするのだな、とフィリオンが変なところに感心していると。 ふわり、と、アルの隣に紅い霧のようなものが現れた。 瞬時にそれは、人の形をとる。やはり、金銀黒の3人組よりも少々年上かと思われるくらいの、紅い瞳の少年の姿。髪の色は黒に見える――が、日の光に当たった部分は赤い。赤を限界まで凝らせて闇に近づけたような色。 「……魔族!?」 銀の少女の叫びに、霧だったものが視線をこちらによこしてきた。 「ちがうよ?」 にっこり、にっこり――それはもう愛想よく、霧だった何かは微笑んでみせる。 でも、彼の耳はたしかにとがっている。それで魔族でないというなら、いったいなんだと云うのだろう? 額に生えた角も、なんとなく魔族を連想させる要因になっているのだが―― 「焔朱? どうかしたのか?」 少年は、アルの知り合いらしかった。 「向こうに、引き車と大量の燻製肉が落ちてたよ? 奇跡的に無傷みたい。 この子達の落し物じゃない?」 「それっ!!」 思わず叫んだフィリオンに視線が集中する。 「当たりみたいだな。おまえもたまにはいいことするね」 くすくす、アルが笑う。やっぱり、大人の人みたいな話し方。 「よし。焔朱、それ持って来い」 『ええぇぇえぇぇ!?』 アル以外の3人の大合唱になった。 「無茶云わないで! あんないっぱいの燻製肉、この人ひとりじゃ無理よ!」 「先生たちだって、ふたりがかりでやっとなんだぞ!?」 「アル、ほんとに人使い荒すぎっ!! めんどくさいっっ!!」 「……前2つの意見はしょうがないが」 ごいん。 なんともいい音がした。 「焔朱。ほっとくとこの子達、確実に凍死だぞ? おまえだって、寝覚めの悪い思いはしたくなかろう?」 頭を押さえてうずくまる少年に、かんで含めるようにアルは云った。 「……せめて紫紺にも手伝わせようよ……」 また、知らない人の名前だ。 「そうだな。紫紺に、燻製だけ先に運んでおいてもらおうか…… 君たち、家は? あっちの村の人間だよな?」 「え……施設の……」 「あぁ」 ふゎり、緑の少女が微笑んだ。 「あそこか。いい処に住んでるんだね」 なぁ焔朱。 同意を求められた少年も、まだ目に涙をにじませていたが、にっこりうなずいた。 「寄ったの?」 「いや、通りかかっただけ。でも、楽しそうな笑い声がしたからね」 その光景は容易に想像することができた。リク先生とフレア先生。暖炉の前で彼らを囲んで笑うこどもたち。もしかしたら、自分たちもそこにいたかもしれないから。 お使いさえなければ、とは思わない。 過去に何がどうだろうと、今こうして自分たちは実に命のがけっぷちに立っているわけで。 これを切り抜けてまた、あのあたたかいところに帰るのだ、という決意がフィリオンとヒューを動かした。 「よくわからないが、そっちのあんたは変な力があるんだな?」 「……そうだけど」 『変な力』の持ち主呼ばわりされた、焔朱という少年が、なんとなく苦い顔でつぶやく。 「俺たちは、自分で帰れるくらいの体力は残ってるんだ。でも、シェイドをかついでいくのはきついと思う」 立ち上がって、ヒューがアルに云った。 「だから、俺たちはいいから。燻製肉も引き車も、場所教えてくれたらとりに行ける。でも」 シェイドだけ、できるなら、先に施設に帰してやってほしい。 ほぅ、と、焔朱が感心したように息をついた。 「いい子たちだねぇ、ほんとに」 「だな」 彼らはふっと笑い合うと、再び金銀に視線を戻した。 「自分のことは自分で、がモットー?」 そのとおりだったので、フィリオンとヒューは素直にうなずいた。 「たまには、人の厚意に甘えてみるのもいいもんだよ?」 優しく微笑む、少女のことばをかき消すように、風が、大きく木の枝をしならせて駆け抜けていった。 何がどうなったのか、実はフィリオンもよく判らなかった。 あのあと、金銀黒がいたのは施設の真正面で。 雪が降り出して気をもんでいた先生たちが、彼らを見つけて走り寄ってくるまで、ほとんど茫然自失で立ち尽くしていたのだ。 そして、玄関に鎮座していた、おじいさんの引き車と燻製肉の山。 シェイドは熱を出していて、すぐにベッドに運び込まれたものの、お医者さんがちゃんと薬を飲ませていたら一週間もしないうちに元気になった。今ではまた、金銀といっしょに日々駆け回っている。 シェイドの不思議な力も、そのあとに逢ったおかしな二人組みのことも――金銀はシェイドにだけきちんと説明したものの――、彼らは誰にも話さなかった。 フィリオンは、あれはたぶん神様みたいなものだったんだろうなと思っている。 もちろん『みたい』なものなのだし、あのおもしろい会話を見ている自分としては実際に神様だなんて思えないけど。だけど、そう思ったほうがなんだか楽しい気がしたのだ。どうせ二度と逢わないだろうし、ちょっとくらいかっこいい思い出にしてみたいという気持ちもあったし。 でも、もしもまた逢えたら。 今度はきちんと、あのことのお礼も云わなくちゃ―― 「フィンーっ!!」 放牧場の木の下で、ぼんやりと金と黒を待っていたフィリオンは、自分を呼ぶ声に反応して、思考から現実へと意識を転じた。 太陽の光にちょっと目を細めて、走ってくるふたりを迎えるために、こちらからも走り出す。 「フィン、ほら、アルカイヤの花!」 うれしそうにシェイドが差し出した――この相棒もずいぶん、感情の起伏を見せてくれるようになった――花を見て、フィリオンは思わず顔をほころばせた。 やわらかな緑の花弁が、中心に向かうにつれてきれいな黄色になっている花。 その昔、人間と魔族たちの争いを止めた賢者の足元に、常に咲き誇っていた花なのだという。そして、この地方ではアルカイヤの花が咲くと間もなく本当の春がやってくるのだと云われている。もちろんこれは、相変わらず本好きを発揮しているヒューから聞いたこと。 「むこうの方にいっぱい咲いてたぜ。 行くか?」 そもそもは、セリエの見かけためずらしい蝶を追いかけていたはずのヒューとシェイドだったが、これを見つけたのでわざわざ戻ってきてくれたようだった。 春の訪れを告げる、みどりと黄色のかわいらしい花が一面に咲いているのを想像して、フィリオンは笑ってうなずいた。 「うん、行こう!」 いっぱい摘んで、施設に飾ればきれいだろうな。 ようやくちょっとずつ治ってきたカイも、これを見たらすぐに元気になるだろう。 そんなことを云い合いながら、金銀黒の3人組は牧場をまっすぐに横切って、目当ての場所まで走っていく。 フィリオンの右手には、春を宣言するアルカイヤの花がある。 そして、銀の少女の胸元に、陽光を反射して輝く髪と同じ色の首飾り。 ふと、フィリオンは、ちょうど一週間前のことを思い出して笑った。 なくしたはずの首飾りが傷一つなく、あの日の輝きのまま、玄関に置かれていた、あの朝のことを。 もうすぐ春。そして、短い夏がやってくる。 |
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