何に負けたか。――この心に。
何が勝ったか。――この心が。
何が逃げたか。
何が戻ったか。
何が泣いたか。
何が笑ったか。
――それらすべては自分の心。
ならば負けまい。自分の心に。
ならば勝とう。自分の心で。
守りたいと願った。
守りたいと祈った。
そうだ、そのために、異端の力を揮おうと決めた。闇に飲まれたとしても、誰かを打ち倒すことになったとしても――そう決めた。
決めて、なのに、折れたのは。
曲げたからだ、譲れないはずの守る願いを。
負けたからだ、そこから逃げたいと思った自分の心に。
逃げたからだ、守りたい気持ちを貫く困難から。
……ならば負けまい。ならば勝とう。
それは誰のせいでもない、それは誰に委ねられない。
この心に打ち勝てるのは、この心でしかないのだから。
――負けない。
そうだ、もう二度と。
誰がではなく、在れ。
誰にではなく、在れ。
自分に、自分が負けぬように、在れ。
何よりも。まず、この心がここに在れ!