と、そんなドタバタを挟んだものの、学校へと出発したレックスたちを見送ったは、予定どおり暇になった。
タコで目一杯ダメージを受けてしまったスカーレルは、カイルを引っ張っていずこかへと姿を消した。途中から成り行きを見守っていたソノラが、哀れみとともに合掌していたが……いや、これ以上考えるのはやめておこう。
そのソノラは、今日はメイメイのところへ、注文してた銃のチューニング用に使う道具を引き取りに行くらしい。そのまま午前はチューンナップに勤しみ、午後は学校終えたスバルたちに船を案内してやる予定らしい。間違っても大砲ぶっ放すなよ、とはカイルの弁。
それからヤード。彼は必然的に船の留守番になってしまった。
レックスたちは留守だし、カイルはスカーレルに拉致されたし、ソノラも出かけたし……ことはどうなのかと云うと、実は、まだ決めていなかったりしたのだが、
「留守居ならひとりでだいじょうぶですから、さんは散歩でもしてきたらどうですか?」
スカーレルたちも昼前には戻るでしょうから、それから私は出かけることにしますよ。――と、優しくヤードに促されて、それでは散歩でもしましょうか、と、船の外に佇んでいたりする。
ちなみに、ヤードの用事を訊いてみたところ、風雷の郷はミスミ様の御殿が行き先らしい。なんでも、ひとつ、頼まれごとを引き受けているという話だが……何をしてるんだろうか。ミモザあたりがいたら、なんとなくほくそえみそうなネタではあるのだが。
……ともあれ、の行き先は、まだ未定。
青い空をしばし見上げて考え込み、は、ワンパターンだなあと思いつつ、足元で同じポーズをしてたプニムを見下ろした。
「ラトリクスとか」
「ぷ!」
怠慢と云うなかれ。
――片や、昼寝中の機械兵士。
――片や、美人の融機人。
ひとりと一匹にとって、わりと、大きな比重を占めるものが、そこには存在しているのだから。