光に混じって、問いかけが、ひとつ。
「たったひとつは、何ですか?」
「……貴女だけ……」
光に混じって、答えが、ひとつ。
「やっと、思い出してくれた?」
「……ええ……ええ、そうでしたね」
ひどく嬉しそうなの……彼女の声に重なって、銀の悪魔の声がした。
「私には貴女だけ」
望みはただ、ひとつだけだった。
最初に願ったただひとつが叶うなら、もう、何も要らなかった。
そう。
壊す行為も、支配する行為も。
――なにも、なにも。要らない。
「……貴女だけが、在ればいい……」
なにもいらない。だれもいらない。
いまかたわらにある、あなたいがいには、もう――なにものさえも。
――あなたいがい、だれも、みちづれなどいらない――