さあ。
最後の鍵は、そこにある。
目の前に、道を拓く扉がある。
ゆっくりと目を閉じた。
意識は己の奥深くに集める。彼女ではなく、自分だけではなく。
ふたりが、ここに、いなければいけない。
ひとつのからだにふたつのこころ。
眠り続けたそのひとといっしょに、……行こう。彼が待っている。
ひとつのうつわにふたつのたましい。
同時に目を覚ましたら、身体が壊れるのが先か、精神が崩壊するのが先か?
それがどれほどの危険を伴うか、判ってはいるけれど。
――リン、と、どこかで銀のなくこえがする。
――りぃん、と、どこかで銀の鳴る音がする。
今。そうしなければ、この扉が開かないことを、知っていた。きっと、いつか。いつも。
ここに、すべて鍵は揃う。
扉を開けよう。――あしたにつづく、道へ踏み出そう。
みんなでいっしょに。
……みんなが、みんなで。しあわせに、なるために――