動き出す時は、もうすぐそこに。
そうして、歌をつむごうか。
今度こそ、真実を謳おうか。
遠い遠い昔の話、終わらぬ歌と物語。
――その結末が、たとえ、いかなるものであれ。
それぞれが決意した夜は明け、しばらくは、静かな日々が過ぎた。
だけどそれは嵐の前触れ。
それをわかっているから、誰も緊張を解かずにいた。
日々の生活、食事、鍛錬。
馴染んだそれを繰り返すふとした合間、見えぬ糸がぎりぎりまで、張り詰めていることに気づきながら。
そうして、その報せは唐突に届く。
「総帥、お呼びですか?」
「ああ。彼らに伝えてくれ」
――悪魔たちの軍勢が、トライドラから動き出した、と。
最後の嵐がこれから起こる。
その嵐がおさまったとき、地は固まるか崩れるか。それとも別の様相を見せるか。
なんにせよ。
これから歩きだす君たちに、最後の問いを投げかけよう。
さあ。終焉を迎える覚悟はいいね?