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エピローグ
lll And, it was inevitable of all.  lll




 ――あたしにとって、それは、本当に突然だった。




 迸った光も、
 世界を渡ったことも、
 優しい家族から離れたことも、
 愛しい家族を得たことも、
 新しい生活を始めたことも、

 ……記憶を失ったことも、

 大好きなたくさんの友達と出逢ったことも、
 二度と逢えないと思った幼馴染みと再会したことも、
 傍にいるはずだった人たちを敵としたことも、

 ――遠い魂ひとつと共に在ることも、

 銀の悪魔と白い焔、ふたりに互いを返したことも、

 ……時間を越えたことも、

 遥か西の地辺境で誓約者の奇跡を知ったことも、
 遠く忘れられた島で知らなかった因縁を知ったことも、

   環を、そして、繋げたことも、


 何もかもが、突然だった。
 そして偶然で必然だった。
 あたしが自分で歩いて進んでそうして引き寄せたものだった。


 ……あたしは忘れない。

 幸福も不幸も喜びも哀しみも有益も無益も道理も非道も何もかも、
 すべて自分がその糸を手繰り、引き寄せていたということを。

 だからけっして否定はしない。
 悔いても泣いても叫んでも、なかったことにだけはしない。

 何もかも、すべて、あらゆるものは、あたしが選んで引き寄せた。

 あたしは、あたしが選んで、ここにいる。



「――――あなたも」、

 あなたが選んで、あなたがいる。



 忘れないでね、どうか。




 歩け。誇り持ち進め。
 いつもいつでもいかなるときも。
 あたしを決めるのはあたしだけ。
 あなたを決めるのはあなただけ。

 いつもいつでもいかなるときも、

 あたしもあなたも在ろうと選んでここにいる。


 最初の選択。
 続く選択。


 幾つものそれを繰り返し。


そして誰もがここに在る。




NEXT
(続く道はいつも、あたしの、あなたの、この目の前に)

■了■